妊娠時はお口のトラブルに注意しましょう vol.2
こんにちは。
今回は前回の「妊娠時はお口のトラブルに注意しましょう vol.1」に続く、vol2です!
妊娠性歯周炎がきっかけで心配されるのは
「早産」、「早期低体重児出産」です。
通常、出産が近くなると「プロスタグランジン」というホルモン物質が分泌され、それによって分娩が開始されます。
つまり、このホルモンが分泌されることは「出産開始の合図」となるのです。
この「プロスタグランジン」は様々な働きを持っており、その中の1つに炎症抑制の働きを持っています。
歯周病により炎症が広がってしまうと、この炎症を抑えようとしてプロスタグランジンが作られてしまいます。
タイミングによっては、分娩時と同じように子宮の収縮が促されて、早産が引き起こされてしまう可能性があります。
上のグラフが示すように、妊娠している女性が歯周病に羅患(りかん)している場合、
早期低体重児出産の危険性が約7倍も高くなります。
おなかの赤ちゃんの正常な発育のためにも、妊娠性歯周炎にかからないよう注意が必要です。
~妊娠中の歯周病予防~
・歯磨きは体調が良いときに
歯磨きは本来、毎食後にするのが理想です。しかし、歯ブラシを口の中に入れるのも辛い時期もあると思います。
そんなときは、時間やタイミングを気にせず、「今なら大丈夫!」というときにこまめに磨きましょう。
どうしても難しい時は、洗口液を使用するのもいいと思います。
※ただし「歯磨きの代わり」にはならないので注意です。
体調が落ち着いてきたら、毎食後というサイクルに戻していきましょう。
※できるだけ寝る前は歯磨きをするようにしましょう。難しい場合は、うがいなどでも大丈夫です。
ちなみに。
歯ブラシの先がが薄くコンパクトなものの方が吐き気を抑えられる、といった場合もあるようです。
・水分をしっかりと摂る
お口の中が乾燥していると、歯周病の原因菌が繁殖しやすくなるので、こまめに水分を摂り、お口の中を潤しましょう
※だ液の分泌も非常に重要です。意識的に唾液腺マッサージを行い、だ液でお口の中を潤すことも重要です。
・歯科で検診、歯石取りをしてもらう
体調が落ち着いてきたら(だいたい妊娠中期ごろ)、歯科医院で受診しましょう。
治療が必要な場合は、お体の状態に合わせた治療や応急処置を進めることができます。
歯ブラシが届きにくいようなところの歯垢や歯石などを除去してもらったり、磨き残しのチェックをしたりなど、
また、それに応じたブラッシングの方法を指導してくれたりもします。
今では歯医者さんのところは、痛くなって治療のためにだけ通うところではなくなっています。
痛くならないために、歯を失わないために、定期的に「予防」としてメインテナンスを行っていく場所にもなっています。
当医院でも、治療の患者さんとメインテナンスの患者さんとも多くお越しいただいてます。
それほど、みなさんの普段からの意識が高まってきている証拠とも言えます。
「歯医者は苦手だ!」という方もいらっしゃると思いますが、
早めに通うことで治療になっても、あまり痛くなく済みますし、
歯石を取ってもらったりなど、クリーニングの後はとてもスッキリすると思います。
もし、歯周病にかかったとしても、歯科に通い、メインテナンスを行うことで
歯周病をしっかりと管理ができ、進行を抑えていくことも可能です。
当医院では、妊娠中はもちろん、産後で小さいお子様を連れてこられる方も多くいらっしゃいます。
お子様に慣れたスタッフも多くいるので、安心してお越しください。
妊娠を機に、今まで通う機会のなかった方も、ぜひとも受診してみませんか?